天体写真

彼岸花星雲(NGC6357)の撮影

彼岸花星雲(NGC6357の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 彼岸花星雲星雲は、さそり座のしっぽ付近にある散光星雲です。彼岸花星雲から北東に1度ほど離れた場所にあるので2つ一緒に撮影されることも多いようです。先月に出目金星雲を撮影してみましたが、LPS-V4を使うことで想像以上に良く撮影できたのでチャレンジしてみました。
 透明度がいまいちで出目金星雲撮影時に比べるとあまり露出がかけられませんでしたが、やはり想像以上に良く写ります。ナローバンドフィルターは良いですね!
 
■彼岸花星雲(NGC6357)
彼岸花星雲 完成
撮影データ 2016/6/1 23:36~ 露出5分x30枚
Astro 50D ISO800 NewFD500mm F4.5L(F5.6絞り) +LPS-V4
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

出目金星雲(NGC6334)の撮影

自宅より出目金星雲(NGC6334)の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 出目金星雲は、さそり座のしっぽ付近にある散光星雲です。
 当地では最大南中高度が19°ととても低いので、光害の中に埋もれているだろうなと思っていましたが、LPS-V4を使うことでその存在を確認することが出来ました。LPS-V4のようなネビュラーフィルターは、透過スペクトルの狭さからくる光量減少やカラーバランスの大きな崩れが生じるため、少し敬遠してしまっていましたが、透過対象となるスペクトルで光っている天体には絶大な威力を発揮することがよくわかりました。夏の散光星雲撮影にはぴったりのフィルターなのでどんどん使っていきたいと思います。

■出目金星雲(NGC6334)
2JPG
撮影データ 2016/5/13 01:47~ 露出5分x24枚
Astro 50D ISO1600 NewFD500mm F4.5L(F5.6絞り) +LPS-V4
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

網状星雲(NGC6992-5、NGC6960)の撮影

自宅より網状星雲の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 400mm 2.8Lを使いました。

 網状星雲は、白鳥座のε星近くにある大きな散光星雲であり、超新星爆発によるガスが発光しています。双眼鏡ではその存在は全く分かりませんでしたが、写真にとるとその大きさがよくわかります。網状星雲と呼ばれていますが、どこが網なのかよくわからないですが、赤色と青緑色のガスの絡みつく様子がとても美しいですね。
 無改造のEOS 6Dで撮影したので、Hαの赤いガスはほとんど写らないかと予想していましたが、意外に良く写りました。IR改造では赤い星雲がはっきり写りますが、網状星雲のような赤色/青緑色のスペクトルを持つ星雲は無改造カメラでもほど良いカラーバランスで撮影できそうです。

■網状星雲(NGC6992-5、NGC6960)
コンポジット3-3
撮影データ 2016/5/13 01:07~ 露出1分x140枚
EOS 6D(無改造) ISO3200 NewFD400mm F2.8L(F4絞り) +LPS-P2
SXD赤道儀(PEC適用)のノータッチガイド 
DSSでダーク減算およびフラット補正、RawTherapeeでフリンジ除去、DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

 天体写真は長時間露出でないと写らないだろと考えていましたが、WEBでは多く方々が短時間露光にもかかわらず美しい写真をとられていたので私もチャレンジしてみました。SXD赤道儀をNexguideでPECトレーニングした後、60秒露出を繰り返して140枚の画像をコンポジットしてみました。
 以下にコンポジット前後での比較画像を示します。多数枚の画像をコンポジットすることでノイズ低減されて美しい画像になりますね。またデジカメの高感度性能の高さに感心しました、1分露光でここまで網状星雲が写るとは本当にすごいですね!
比較
 1枚物をDPPでトーンカーブを調整して星雲を浮かび上がらせましたが、さすが純正のソフトだけあって色の出方がとても良いと感じました。DSSでコンポジットしたTIFFは色がなかなか出せずに苦労しています。DPPでRAW現像後にコンポジットしたいですが、ダーク減算とフラット補正が出来なくなるのが大きなネックです。

 夏の天の川付近なので、明るい星が多くNewFD400mm F2.8ではF4まで絞っても強調処理すると赤色やパープルフリンジが元画像では結構出てしまいました。フリンジ除去にRAW Therapeeというフリーの画像処理ソフトを試してみましたがとてもいいですね。フリンジのスペクトルを指定することが出来るので赤や紫のフリンジを消すことが出来ました。等倍で見ると多少違和感あり賛否両論あると思いますが、パッと見たときのすっきりカンには代えがたいですね。

■追尾状況
 追尾状況をGIFアニメーションにしました、上が北側になります。
PEC機能によってピリオディックモーションによる東西方向の星の流れはかなり抑えられていますが、モータードライブ起因の星が西に流れてしまう事象は防げませんでした。小さな累積誤差を修正するには1周期のPM学習だけでは不十分なようです。途中で1回星が北側にはねますが、私がカメラに触ったせいです。
 追尾(PEC有り)
  撮影データ  EOS 6D 1分露光x164枚 ISO3200 NewFD400mm 2.8L (F4絞りを使用) 
  北が上      撮影開始2016/5/13/01:07 撮影終了2016/5/13/04:07 テレスコープウェスト

M57(環状星雲)の撮影

自宅よりM57(環状星雲)の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 M57はこと座のγ星とβ星の中間にある惑星状星雲です。双眼鏡で探してみましたが、とても小さいようで覗いても良くわかりませんでした。しかしレンズを向けると短時間露出でもばっちり写りますね。500mmなので嫣然期待していませんでしたが存在している事がよくわかります。
 いつもは光害カットフィルターとしてLPS-P2を使っていますが、今回にはLPS-V4を使ってみました。LPS-P2よりもカラーバランスの調整が難しいですね。Hα,Hβ,OIIIの波長を多く含む天体では絶大な威力を発揮しそうですが、M57のような複数のスペクトルを含む天体ではカットされる波長が多いためか期待したような色にはなかなかなりませんでした。光害フィルターも対象に合わせて適切なものを使っていきたいです。

■M57(環状星雲)
M57 拡大
トリミング画像

M57
撮影データ 2016/5/12 23:26~ 露出2分30秒x21枚
Astro 50D ISO800 NewFD500mm F4.5L(F6.4絞り) +LPS-V4
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

M27(アレイ星雲)の撮影

自宅よりM27(アレイ星雲)の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 M27は夏の大三角の中のや座近くにある惑星状星雲です。この星雲も明るめで双眼鏡でも小さなぼんやりした雲のように見え、その姿を確認することが出来ます。小さな望遠鏡では色まではわかりませんが、写真にとると緑色のガスと赤色のガスのコントラストが本当に美しく見ごたえがありますね。超新星の爆発した後のガスが広がっている様子が良くわかります。
 M27の撮影では、オートガイドがなかなかうまく決まらず星像が少しぶれてしまいました。南天の低い位置にあるM83を撮影後、天の赤道付近のM27にそのまま向けて撮影しましたが、DEC側のバランスが少し崩れていたようです。EM-200なら多少のバランスの崩れなら何とかしてくれるだろうと甘く考えていましたが、やはり基本的なポイントはきちんと押さえておかないとだめですね。

■M27(アレイ星雲)
アレイ星雲2
撮影データ 2016/5/12 02:24~ 露出5分x14枚
Astro 50D ISO800 NewFD500mm F4.5L +LPS-P2
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし
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