私のもつSP赤道儀には、一軸モータードライブとしてSD-1を取り付けています。ガイド用のボタンとして停止、2倍速、±16倍速が付与されています。昔は望遠鏡を覗きながらこのボタンをポチポチしてガイド撮影していましたがあまりの辛さに天体写真から離れるきっかけとなってしまいました。永い眠りからSP赤道儀を復活させましたが、ピリオディックモーションが少し大きめです。
 WEBを見ているとオートガイダーはかなり小型軽量化がすすんでおりM-genのような製品ならばSP赤道儀にのせてもほとんど負担にならないでしょう。値段も高いのでM-gen購入予定はないのですが天気も良くないので改造だけしてみました。
 1_SD-1_1

■SD-1の構造

 初めにSD-1を分解して構成を確認してみました。基板は一層片面でディスクリート部品とロジックICから構成されており、回路を追いかけやすく良い頭の体操になりました。
2_基板表3_基板裏
 基板の表裏
概念図
 回路概略図

 5.0469MHzの水晶発振子がクロック源として使われており、カウンタIC(4060)およびプログラマブルカウンタIC(74HC40103)で分周後、モータードライバICに入力されステッピングモーターを回転させています。モーター速度の変更は、74HC40103で分周比を変えることで実現しているようです。
 モーターの駆動速度について、機構面から要求される理論値と、電気的な回転値を比較してみました。以下の計算式より誤差は-0.0001%となりとても高い精度で設計されていることが分かります。
 機構:(144×120×48)/86164.09=9.626284pps
 回路: 5.0469×10^6/(1024×256×2)=9.6262pps


■SD-1のオートガイド改造
 最初は、停止ボタンと2倍速ボタンにオートガイダー用のリレーをつなごうかと考えていましたが、修正速度が対恒星時速度±100%となり少し乱暴な感じがします。4060から出力されるクロックを追加回路に入れてオートガイダーからの信号で分周比を変更してモーターの回転数を変化させることにしました。
概念図 - コピー
追加回路概略図

 追加回路は、以下のような構成にしました。4040で2分周した後、40103でオートガイダーからの信号によって分周比を変化させます。修正速度については対恒星時速度として±50%となるように設定しました。150%増速時には分周比の問題から3%ほど誤差が出ますがガイド自体にはそこまで影響しないでしょう。また電源はSD-1の5Vからとることにしました。
追加回路
追加回路回路図

 まずはSD-1の基板から、電源、クロック信号、モータードライバへのクロック信号を引き出してみました。モータードライバICへの入力は、スイッチでオリジナルと追加回路の信号を切り替えるためにつけています。追加回路との接続にはダイソーのLANケーブルを使いました。
4_改造_裏基板5_改造_表基板

 追加回路はユニバーサル基盤で作成しました。DIPタイプのICならばお手軽に工作できるのでいいですね。ケースに入れて完成です。ABS樹脂製なので加工性はいいのですが、RJ-11やRJ-43用の四角い穴をあけるのは難儀しました。やすりで簡単に修正できるのですが削りすぎてしまいぶかぶかになってしまいましたのでエポキシ接着剤で固めておきました。
6_カウンタ回路7_カウンタ回路ケースIN

 完成です!SD-1につけられたクロック切り替えスイッチが少し違和感がありますが、実用上は問題ないでしょう。追加回路の消費電流ですが2mAほどになりました、SD-1は7805で5Vを得ていますがノーマル状態でも0.25A程度の消費電流です。全体の消費電流から見ると1%以下の増加に収まっているので駆動時間への影響はほぼありません。
 Nexguideにつないぎ手動でガイド信号を入力してみたところきびきびと反応しています、いずれコンパクトなオートガイダーが手に入れば一軸オートガイドに挑戦してみたいと思います。
8_完成

なお分解・改造は自己責任でお願いします。