NewFD 300mm F2.8L 及びNew FD 400mm F2.8L の温度依存性

 天体写真を撮影していると、気温の変化による焦点のずれが問題になります。特に異常分散ガラスをレンズに使用したものはその傾向がとくに大きいようです。Canonの一部の望遠レンズは白を基調にしたカラーリングがなされていますが、直射日光による温度変化を出来るだけ少なくなるようにするためだそうです。
 蛍石レンズを使っているNew FD 300mm 2.8Lおよび大口径UDレンズを使っているNew FD 400mm 2.8Lが温度によってどの程度影響を受けるのか確認してみました。
 NewFD
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SP赤道儀の一軸オートガイド改造

 私のもつSP赤道儀には、一軸モータードライブとしてSD-1を取り付けています。ガイド用のボタンとして停止、2倍速、±16倍速が付与されています。昔は望遠鏡を覗きながらこのボタンをポチポチしてガイド撮影していましたがあまりの辛さに天体写真から離れるきっかけとなってしまいました。永い眠りからSP赤道儀を復活させましたが、ピリオディックモーションが少し大きめです。
 WEBを見ているとオートガイダーはかなり小型軽量化がすすんでおりM-genのような製品ならばSP赤道儀にのせてもほとんど負担にならないでしょう。値段も高いのでM-gen購入予定はないのですが天気も良くないので改造だけしてみました。
 1_SD-1_1
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SP赤道儀のピリオディックモーション測定

 SP赤道儀は、1980年代にVixenから販売されていた赤道儀です。史上最も販売された籍動議ではないでしょうか?私が小さなころ初めて買ってもらった天体望遠鏡でとても思い出深い機種です。114㎜のニュートン反射とセットで購入してもらいましたが、天体観測の基礎を教えてもらいました。
 SP赤道儀は、赤経・赤緯の両方に立派な目盛り環が備えられており暗い天体の導入にはたいへん重宝しました。このおかげで天体が空をどのように動いていくのかや、赤道儀の動き方などとても勉強になりました。最近の自動導入機にはコストダウンのためか目盛り環が省略されているものが多いですが、ぜひ付けておいて欲しいですね。
 SP赤道儀
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OPTOLONG CLSフィルターについて② 天の川中央

 OPTOLONG CLSフィルターを使って白鳥座付近を試写してみましたが、今回は天の川中央部を試写してみました。試写条件は以下のとおりです。
  ①フィルター無し EOS 6D  ISO400 120秒×30枚 SAMYANG 35mm F2.5
  ②CLSフィルター EOS 6D  ISO1600 180秒×20枚 SAMYANG 35mm F2.5

 ノーフィルターですが、予想以上に良く写り驚いています。かなり透明度がよかったのですがそれを考慮してもここまで写ってしまうとはという感想です。デジタルカメラは画像処理でかなりいじることが出来ますが恐ろしい効果ですね。6Dをフィルター改造してしまえば赤い星雲もはっきり写りそうです。
 CLSフィルターで試写した時には、薄雲が通過してしまい輝星がにじんでしまっています。しかし薄雲の通過にもかかわらず暗黒帯もはっきりしたコントラストの高い画像を得ることが出来ました。Hαで輝く赤い星雲群も良くわかります。

 いままで星像はシャープでなければならないと思っていましたが、35㎜程度の焦点距離ならば輝星はソフトフィルターなどでにじませたほうが、良さそうです。WEB上の星景写真の撮影条件を見てみると、Leeのソフトフィルター等を効果的に使われているようです。少し価格が高いですが、記憶のイメージに近い写真になるので購入するかどうか悩みどころです。

■フィルター無し
 
天の川中央_Flat完成2
 撮影データ 2016/6/3 00:56~ 露出2分x30枚 EOS 6D(無改造) ISO400 SAMYANG 35mm F1.4(F2.4絞り)
TT320X ノータッチガイド DSSでダーク減算およびフラット補正,Flataideでかぶり補正、DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

■CLSフィルター
天の川中央 kyouchou Flat2 完成
撮影データ 2016/6/2 00:36~ 露出3分x20枚 EOS 6D(無改造) ISO1600 SAMYANG 35mm F1.4(F2.4絞り) OPTLONG CLSフィルター
TT320X ノータッチガイド DSSでダーク減算およびフラット補正,Flataideでかぶり補正、DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

 

OPTOLONG CLSフィルターについて&白鳥座付近の試写

 シュミット様で販売されている光害カットフィルター(OPTOLONG製)を購入しました。他メーカーのフィルタに比べると全体的にリーズナブルな価格が設定されており、フルサイズ用のFFフィルターでも\12,500-(UHCフィルター)から購入することができます。広角レンズを使った場合、レンズ前に干渉型の光害カットフィルタをおいてしますと周辺部のカラーバランスが大きく崩れてしまい私のレベルでは画像処理することが出来ません。今回購入したフィルタはミラーボックス内に設置するタイプなので、周辺部の色ずれが軽減されます。

 OPTOLONGのフィルターは様々な種類がありどれにしようかと悩んでしまいます。透過スペクトルの図から個人的なまとめを作成しました。間違っているかもしれませんので参考程度にとどめてください。
L-pro 水銀灯やナトリウムランプの輝線を選択的にカット LPS-P2と似ているがSIIまで透過
CLS-CCD Hβ,OIII,Hα,SIIの輝線周辺のみ選択的に透過 IR域はカット
CLS Hβ,OIII,Hα,SIIの輝線周辺のみ選択的に透過 CLS-CCDと違いIR域は透過
UHC Hβ,OIII,Hα,SIIの輝線周辺のみ選択的に透過 CLSよりも透過幅が狭く光害カット力は一番高そう

 さんざん悩んだ末にCLSフィルターを購入することにしました。L-proが第一候補だったのですが、高価なのであきらめました。UHCは安価ですが、LPS-V4よりも透過域が狭くカラーバランスの調整がとても難しくなりそうなので今回は見送りました。CLS-CCDとCLSの違いはIRカットの有無のみのようです、使用予定のEOS 6DはIRカットフィルタが内蔵されているのでCLSで十分だろうと考えました。

 注文したところすぐに届きました!立派な化粧箱に入っており、フィルターの保護ケースもとてもしっかりしたものが附属しています。 
フィルタ
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彼岸花星雲(NGC6357)の撮影

彼岸花星雲(NGC6357の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 彼岸花星雲星雲は、さそり座のしっぽ付近にある散光星雲です。彼岸花星雲から北東に1度ほど離れた場所にあるので2つ一緒に撮影されることも多いようです。先月に出目金星雲を撮影してみましたが、LPS-V4を使うことで想像以上に良く撮影できたのでチャレンジしてみました。
 透明度がいまいちで出目金星雲撮影時に比べるとあまり露出がかけられませんでしたが、やはり想像以上に良く写ります。ナローバンドフィルターは良いですね!
 
■彼岸花星雲(NGC6357)
彼岸花星雲 完成
撮影データ 2016/6/1 23:36~ 露出5分x30枚
Astro 50D ISO800 NewFD500mm F4.5L(F5.6絞り) +LPS-V4
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

SAMYANG 35mm F1.4 天体写真テスト

 SAMYANG 35mm F1.4 Aspherical IFの天体適性を見るために星像テストを行ってみました。以前SAMYANG 14mm F2.8を入手しましたが、残念ながら外れレンズでした。当たり外れのあるSAMYANGにはもう手を出すまいと思っていたのですが、WEBでの絶賛レビューを読んだり作例を見てしまうととても関心をそそられてしまいました。Canon純正レンズの1/5の価格ということもあり懲りずにまた手を出してしまいました。
 P1390070
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出目金星雲(NGC6334)の撮影

自宅より出目金星雲(NGC6334)の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 500mm F4.5Lを使いました。

 出目金星雲は、さそり座のしっぽ付近にある散光星雲です。
 当地では最大南中高度が19°ととても低いので、光害の中に埋もれているだろうなと思っていましたが、LPS-V4を使うことでその存在を確認することが出来ました。LPS-V4のようなネビュラーフィルターは、透過スペクトルの狭さからくる光量減少やカラーバランスの大きな崩れが生じるため、少し敬遠してしまっていましたが、透過対象となるスペクトルで光っている天体には絶大な威力を発揮することがよくわかりました。夏の散光星雲撮影にはぴったりのフィルターなのでどんどん使っていきたいと思います。

■出目金星雲(NGC6334)
2JPG
撮影データ 2016/5/13 01:47~ 露出5分x24枚
Astro 50D ISO1600 NewFD500mm F4.5L(F5.6絞り) +LPS-V4
EM-200 Nexguideでオートガイド ガイド鏡 400mm F5 
DSSでダーク減算およびフラット補正,DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

L+RGB合成デジカメ

 スマートホンの買い替えを検討していたところ、L+RGB合成ができるカメラを持つHuawei /P9というスマートホンを見つけました。1200万画素のカラーCMOSセンサとモノクロCMOSセンサを搭載しており、 内部で合成することで画像を得るようです。天体写真でもモノクロ冷却カメラとカラーカメラで撮影しL+RGB合成することで、高い効率で素晴らしい天体写真が得ることが可能になっています。スマートホンにこのようなカメラが実装されているのは驚きですね。
クリップボード02

 コンパクトデジカメなどでは、高画素競争でレンズの回折限界を超えた素子を持つカメラが製造されていましたが、スマホも似たようなものなのか計算してみました。
 カメラレンズで理論分解能がまず出ることはないのでただのお遊びです。
 ■P9/HUAWEI カメラスペック
  レンズ  焦点距離:27mm(35mm換算),  F値:2.2
  撮像素子 1200万画素 ピクセルピッチ 1.25um IMX286/SONY

 IMX286のデータシートが公開されていないので撮像素子のサイズが分かりませんが、画素数とピッチから考えると1/3インチサイズが妥当でしょう。また実際のレンズ焦点距離は、撮像素子サイズから考えると1/7掛ければいいので3.86mmになります。
 上記値からレイリー限界(127.5/D)から錯乱円を計算してみると、1.36umになりました。撮像素子の画素ピッチが1.25umなので光学限界超えてしまっていますが、過去の高画素競争時代のコンデジと比べると良心的な設計だと思います。WEBのレビューを見ている限り、RGB単板素子のカメラと比較して際立って素晴らしいカラー写真が撮れるわけではないようですが、モノクロで撮影された写真の解像度は非常に高く感じます。カラー画像に関してソフトの改善などで今後の改善を期待したいですね。

 このような面白いギミックは日本企業が得意とすると思っていましたが、今の中国のモノづくりの勢いは本当に凄いですね。天体関連でも、中国企業によるAPO望遠鏡や冷却CMOSカメラなどのをよく見かけます。メーカーに勤務するものとして戦々恐々としていますが、中国のスピード感や新しいことに挑戦する姿勢は本当に見習わなければなりません。

網状星雲(NGC6992-5、NGC6960)の撮影

自宅より網状星雲の天体写真を撮影しました。今回はNew FD 400mm 2.8Lを使いました。

 網状星雲は、白鳥座のε星近くにある大きな散光星雲であり、超新星爆発によるガスが発光しています。双眼鏡ではその存在は全く分かりませんでしたが、写真にとるとその大きさがよくわかります。網状星雲と呼ばれていますが、どこが網なのかよくわからないですが、赤色と青緑色のガスの絡みつく様子がとても美しいですね。
 無改造のEOS 6Dで撮影したので、Hαの赤いガスはほとんど写らないかと予想していましたが、意外に良く写りました。IR改造では赤い星雲がはっきり写りますが、網状星雲のような赤色/青緑色のスペクトルを持つ星雲は無改造カメラでもほど良いカラーバランスで撮影できそうです。

■網状星雲(NGC6992-5、NGC6960)
コンポジット3-3
撮影データ 2016/5/13 01:07~ 露出1分x140枚
EOS 6D(無改造) ISO3200 NewFD400mm F2.8L(F4絞り) +LPS-P2
SXD赤道儀(PEC適用)のノータッチガイド 
DSSでダーク減算およびフラット補正、RawTherapeeでフリンジ除去、DPPでトーンカーブ調整、トリミングなし

 天体写真は長時間露出でないと写らないだろと考えていましたが、WEBでは多く方々が短時間露光にもかかわらず美しい写真をとられていたので私もチャレンジしてみました。SXD赤道儀をNexguideでPECトレーニングした後、60秒露出を繰り返して140枚の画像をコンポジットしてみました。
 以下にコンポジット前後での比較画像を示します。多数枚の画像をコンポジットすることでノイズ低減されて美しい画像になりますね。またデジカメの高感度性能の高さに感心しました、1分露光でここまで網状星雲が写るとは本当にすごいですね!
比較
 1枚物をDPPでトーンカーブを調整して星雲を浮かび上がらせましたが、さすが純正のソフトだけあって色の出方がとても良いと感じました。DSSでコンポジットしたTIFFは色がなかなか出せずに苦労しています。DPPでRAW現像後にコンポジットしたいですが、ダーク減算とフラット補正が出来なくなるのが大きなネックです。

 夏の天の川付近なので、明るい星が多くNewFD400mm F2.8ではF4まで絞っても強調処理すると赤色やパープルフリンジが元画像では結構出てしまいました。フリンジ除去にRAW Therapeeというフリーの画像処理ソフトを試してみましたがとてもいいですね。フリンジのスペクトルを指定することが出来るので赤や紫のフリンジを消すことが出来ました。等倍で見ると多少違和感あり賛否両論あると思いますが、パッと見たときのすっきりカンには代えがたいですね。

■追尾状況
 追尾状況をGIFアニメーションにしました、上が北側になります。
PEC機能によってピリオディックモーションによる東西方向の星の流れはかなり抑えられていますが、モータードライブ起因の星が西に流れてしまう事象は防げませんでした。小さな累積誤差を修正するには1周期のPM学習だけでは不十分なようです。途中で1回星が北側にはねますが、私がカメラに触ったせいです。
 追尾(PEC有り)
  撮影データ  EOS 6D 1分露光x164枚 ISO3200 NewFD400mm 2.8L (F4絞りを使用) 
  北が上      撮影開始2016/5/13/01:07 撮影終了2016/5/13/04:07 テレスコープウェスト
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